ゆうゆう通信No80「心身ともに穏やかでいたい」

 皆さんはどんなことをヨガに求めて、ヨガを始めましたか?

身体がかたいから、健康にいいって聞いたから、やせたいから、美容にいいらしい、運動不足解消のため・・・と、人それぞれだと思います。でも、そんな思いの根本にあるのは、「心身ともに穏やかでいたい」という願いなのではないでしょうか?

 

 何はともあれ、ここでは、とにかく私たちは「穏やかさ」を目指してヨガを行っているとしましょう。すると、最終目標は「穏やか」なのだから、そこにいたる道筋の最初の一歩は、「穏やかではない自分」を認識するところから始まります。そうなんです。まずは「穏やかでいられない自分」を知ることを大切にしてほしいのです。浅いつまった呼吸、じっと座っていられない不安定な体、ポーズのたびに入ってしまう力み、人と比べて自分を否定してしまう心、雑念だらけの頭、そんなこと一つ一つに気づいていくことが重要だと思うのです。

 

 ところが、この「穏やかでいられない自分」に気づくのは簡単なことではありません。例えば、私がポーズの注意点やこんな風に行いましょうという、説明をします。すると、それを忠実に真似をしようと必死になります。一生懸命なのだけれど、向かう方向が「自分」ではなく、「ポーズができるようになる」ということに向いてしまいます。すると、呼吸がつまり、首や肩に力が入っていても気づかないまま終わってしまうのです。そのポーズを見本どおりに形作ることが目標になってしまうのです。そして、難度の高いポーズになるほど、この傾向は高まります。

 

でも、自分にとって難度の高いポーズこそ、「穏やかでいられない自分」を感じるチャンスです。その時こそ、穏やかでない今現在の自分が、どうしたら少しでも穏やかにこのポーズをできるのだろうかと考えてください。無理に最終ポーズまでいかず、軽減法を選んだり、ベルト等の補助具を利用したり、長いポーズのキープ時間の途中で休息をとったり、できることはたくさんあります。

 

 例えば、きついスクワットをしていても、そこに「安定」と「快適」を探しながら行う。ヨガが他のエクササイズと違うのは、そこにあると思うのです。「穏やかでいられない自分」を感じ、それをどうしたら少しでも穏やかにできるようになるのか考え、あれこれやってみる。そういうことの積み重ねが、自分をコントロールする力を身につけることにつながるのだと思います。

 

 私は、いつも、穏やかとは対極にある自分の言動を反省します。ちょっとしたことでイライラしたり、人の話を最後まで聞けなかったり、強引に問題を乗り切ろうとする傾向もあります。そんな穏やかではいられない私だからこそ、こんなにヨガにひかれるんだろうなぁと思うのです。「心身ともに穏やかでいたーい!」それが私の願いであり、皆さんと一緒に目指していきたいことです。