ゆうゆう通信No76「バンダを意識しよう」

今回のテーマは「バンダ」です。ほとんどの方が、「なに、それ?」という感じですよね。そこで、今回は、この「バンダ」を、できるだけわかりやすく説明したいと思います。

 

「バンダ」とは、サンスクリット語で、「止める」「縛る」という意味があります。ヨガでは、エネルギーを逃がさないように、体の一部を締め付けることによって、エネルギーをコントロールするテクニックとして使われる言葉です。なんだか難しそうですよね。

でも、この「バンダ」、既に、いつもクラスで皆さんに実践して頂いていることなんです。思い出してください。私がいつもお伝えしている、「軽く会陰部をウィンクして」「お尻からエネルギーを吸い上げて」「お腹の中にある掃除機で骨盤の底を吸い上げて」というイメージ。これが、ヨガで「ムーラ・バンダ」と言われるテクニックです。いわゆる、骨盤底の引き締めですね。

 

 他にもヨガで重視されている「バンダ」が2つあります。お腹の引き締めの「ウッディヤナ・バンダ」と、のどの引き締め「ジャーランダラ・バンダ」です。

 

のどの引き締め「ジャーランダラ・バンダ」についても、「あごをひいて」「頭をまっすぐに」とお伝えしています。これは、「のどをしめる」というより、とにかく首の後ろを緩めるというイメージです。緩めると言っても「ダラーン」とするということではなく、不要な力をいれずに、すっと首を伸ばし、頭を軽くする感覚です。ヨガのポーズを行っている時、あごを軽く引いて、首がのびると、頭が空に引き上げられるような気持ちよさを味わうことができると思います。

 

 そして、お腹の引き締め「ウッディヤナ・バンダ」。これも、「心もちお腹を中に入れて」「お腹から上にあがるエネルギーをイメージして」といった感じでお伝えしています。お腹を引き締めようと思うと、かえってりきんでしまうので、どちらかというと「腰をのばす」感覚のほうがいいと思います。仙骨を少しお腹の方に引き寄せ、お腹の中心部にエネルギーを集めてくるイメージです。

 

 それでは、そもそも、なぜこの「バンダ」というテクニックが必要なのでしょうか。そこで、あえて「バンダ」と反対の状況を想像してみてください。あごがあがり、お腹が緩み、骨盤底が脱力しきった状態です。内臓が垂れ下がり、お腹はぽっこり。猫背になり、呼吸は浅く、歩幅は狭く、重力に任せ、下へ下へと体は落ちていきます。すると気持ちも沈んでしまい、ネガティブな考えに偏っていきます。ものすごい負の連鎖です。

 

だからこそ、「バンダ」は重要です。ヨガの目指す、「安定」と「快適」な姿勢作りに欠かせないものなのです。ですから、ヨガを行う時に頭の片隅にいつも置いて頂きたいと思います。それが、ヨガのポーズの効果を高めるとともに、怪我の防止にもつながります。ぜひ、この「バンダ」を、ヨガクラスで練習し、日常生活にも取り入れてください。ただし、力任せに引き締めるのは、かえって心身に悪影響となります。気持ちよく、上に伸びるようなイメージで!